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6月 18

クラッチペダルの話

投稿者名: 担当A | カテゴリ: 整備

いきなりですが、今日はクラッチペダルの話をします。


今回話題にするのは、「油圧式」のクラッチですので、

「ワイヤー式」は当てはまりませんのでご注意下さい。


さてみなさん、クラッチペダルを踏んで、離すと戻ってきますよね?

はい。当たり前です。

クラッチペダルにはリターンスプリングが装着されていて、

その力でペダルは戻ってくることになっています。



ここで、仮にクラッチの油圧配管が接続されていなかったとしたらどうなるかと言いますと、

クラッチのエア抜き作業をしたことがある人なら知っていると思いますが、

グッと踏み込んだペダルは床までスコーンと入ってしまい、そのまま戻っては来ないのです。

そこで、つま先でペダルをグイと持ち上げてやると、ペダルはバコンと戻ってきます。

さて、リターンスプリングがあるのにナゼ?擬音語がやたらに多いのはナゼ?



クラッチペダルのリターンスプリングはペダルストロークの上の方、踏み始めの部分でのみ効果を発揮するようになっているのです。

あ、今地震ありましたね。

つまり、クラッチペダルが戻ってくる力の多くは、クラッチカバーの反発力がクラッチシリンダーを押し戻す事による物なのです。


ですから、クラッチの油圧配管が接続されていなかったり、配管内のオイルがない場合はペダルが戻ってこないのです。

何故そんな構造になっているか?

それは、ペダルの全ストロークにリターンスプリングが効いていると、踏み心地が重くなってしまうからです。

クラッチカバーの反発力+リターンスプリングでは重くて仕方ありません。

このリターンスプリングは、ペダルをある程度踏み込んだところから「ペダルを戻す」ではなく、「ペダルを押し込む」方向に力がかかるようになります。


そのことを踏まえて。


クラッチペダルのストロークを短くしようとしてペダル高さを低く設定すると、

リターンスプリングの効果が無くなるだけでなく、ペダルが常に押し込まれている状態になってしまいます。

つまり、常にクラッチペダルを少し踏んだ状態になるので、クラッチの摩耗が早くなる場合もあります。


油圧式のクラッチは、クラッチのペダル高さを大きく変化させない限り「クラッチミートポイント」の変更はできません。

そして、クラッチのペダル高さは大きく変化させてはいけないのです。


つまり、クラッチのミートポイントは好みに合わせて大きく変化させることは、基本的にはできないということです。



クラッチのペダルを調整される場合は十分ご注意下さい。

コメント(1)

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One Response to “クラッチペダルの話”

  1. もんじろう より:

    はじめまして。初心者です。
    クラッチペダルが遊び部分からこっちに戻ってこない(奥まで踏み込むと切る/つなぐは今のところできているが、シフトチェンジも入りにくいことあり)事態が急に発生しまして、いろいろ調べていたのですが、こちらのページでものすごく納得できました。

    > つま先でペダルをグイと持ち上げてやると、ペダルはバコンと戻ってきます。

    まさしく。バゴン。

    > リターンスプリングがあるのにナゼ?
    > リターンスプリングはペダルストロークの上の方、踏み始めの部分でのみ効果を発揮する
    > クラッチペダルが戻ってくる力の多くは、クラッチカバーの反発力がクラッチシリンダーを押し戻す事による物
    > ペダルの全ストロークにリターンスプリングが効いていると、踏み心地が重くなってしまう

    な・る・ほ・ど。
    確かに峠のポイントを境に向こう向きにもこっち向きにも力が働くような位置にバネがついているように見えまして、何でこうなんだ?と思ったのですが、そういう訳でしたか!

    これで原因は恐らくバネでなく、油圧にトラブルが生じたのだろうということで深く納得できました。
    整備に持っていくことにします。
    まさに私の知りたかったナゼ?の丁寧なご説明、本当にどうもありがとうございました\(^o^)/

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