2月 5
Z34とF131
大変ご無沙汰しておりました。畑仲です。遅くなりましたがあけましておめでとうございます。
昨年末に急遽Z34エンジン組み上げてオートサロンに展示してみたり、オートサロン明けにR35GTRのサージタンクテストしてみたり、溜まってしまったお客様のお車をセッティングをしたりと、なかなか時間取れなかったのですが、すこし時間が空いたのでオートサロンで撮ってきた写真を整理してました。
何気なくオートサロンで撮った、サーキットコンセプト様Z34と弊社のフェラーリ360用カスタムキットのコラボ写真を眺めてみて、いろいろ考えてみました。
Z34がサーキットコンセプト様のデモカーで、手前の展示台に載っているV8エンジンがフェラーリのF131エンジンです。車両価格が片や¥400万弱で片や¥1,800万位ですから、比べるなよ!って怒られるかもしれませんが^^;(むちゃくちゃ抗議のコメントが来そうで怖いw)。
エンジンのカタログスペックを比べると
——————————————
Z34
Engine : VQ37HR V6 約3690cc
Bore /Stroke: 95.5×86.0 mm
Power : 336ps/7000rpm
Torque : 37.2kg.m/5200rpm
——————————————-
360 modena
Engine : F131 V8 約3584cc
Bore/stroke : 85×79.0 mm
Power : 400ps/8500rpm
Torque : 38.0kg.m/4750rpm
——————————————
そして標準車の車両重量がZ34 : 1480kg で360modena : 1430kg.
なんだか動力性能は似たり寄ったりなのかな?(抗議のコメントはスルーさせていただきますm(__)m)。
パワーは大きく違いますが、これは回転数が違っているからです。トルクが同じくらいなので、普段使う領域では大きな差にならないでしょう。もちろん高回転のスピードの伸びが違うので、このまま競争すればフェラーリの方が当然速いです。
それではなぜフェラーリの最大出力が大きいのか?トルクはあんまり変わらないじゃね?って事ですが、パワーには時間の要素が入ってくるからです。単位時間あたりにどのくらいの仕事をするのか?ってことです。
トルクがバケツに水を張った重さとすると、1分間にそのバケツを何回汲むかと言うのがパワーです。
そんなこと分かってるという方も多いでしょうがw、サーキットコンセプト様(工学の専門家)のブログを読んでるせいか理屈っぽくなってきましたw。
単純にざっくり言うと、同じトルクのエンジンを倍の回転で回せば、倍のパワーになります。(実際には回転域でトルクが変わってくるのでそうはなりませんが、仮定の話です^^;)。たとえば去年あたりのF1のV8 2,400ccエンジンは最高出力700ps以上楽に出ているらしいです。でも、トルクは20数kgとの事です。回転数が18,000rpmとかだからですね。
フェラーリの最高出力回転数は8,500rpm、Z34は7,000rpmですから、Z34も8,500廻れば、400ps近くになるんじゃないでしょうか。(単にREVリミットだけではないですよ、もちろん)
では、なぜZ34は回さないのでしょうか?もともとフェラーリはレーシングカーをそのまま売っていたようなメーカーですから、性能、スペックが命です。z34はスポーツカーといってもレーシングカーほど割り切っては作れないです。エンジンのV6とV8ではコストも格段に違ってきます。そもそも、車両価格が違いますw。
マルチシリンダーの有利な点は同じ排気量でピストンや動弁系が小さくなる事なんです。とうぜん小さいから軽くなって高回転化(ハイパワー化)に有利になります。加速度がかかわってくるので、少しの軽量化でも効果は大きいのです。そして、面積当たりのバルブの開口面積の割合が大きくなります。V6,24VALVE対V8,40VALVE。
また、ピストンボアが小さくなるということは燃焼にとっても有利になります。プラグで点火された混合気が燃えて広がって行くのにも時間がかかるからです。点火した瞬間に混合気がきれいに燃えてしまうのが理想なのですが、なかなかそうはいかないんです。(内燃機関参考書の初めの方のページに必ず出てくるP-V線図。理論値で書いたP-V線図を神様のP-V線図と呼びます。実際には理論値にならずバナナのような角が丸まった線図になるんです。)。燃焼室が小さいと燃え広がる距離が短くなって神様のP-V線図に少しだけ近づきます。
そんな構造的に有利な(贅沢な)、フェラーリといい勝負できそうなZ34ってすごいですねw(抗議のコメントはスルーさせて・・・・以下同文 wwww)。
これはVVELが効いているのだと思います。もともとはBMWのバルブトロニックがもとになっていると思いますが、回転数や負荷に合わせてインテークバルブの開度とリフトをコントロールしています。なぜこれがいいのかと言うと、効率が良くなるんです。
通常パワー志向のエンジンでそれなりのカムを使おうとすると、INとEXのバルブがオーバーラップしてしまいます。そうすると低回転で吸入空気の流速の遅い時では、排気ガスが燃焼室に吹き返してしまったりします。こうなると排ガスが厳しくなるのでカムを小さくしてパワー落とすか、可変バルタイで遅角させてオーバーラップを小さくするようになります。そして中回転域で進角させて、高回転ですこしまた遅角させるという制御をします。ここまではVVEL以前のエンジンです。VVELはこれに加えて、バルブリフトや作用角も変えられるので必要以上の空気を吸い込まないので低回転、低負荷域のポンピングロスも小さくなります。
2,000rpmから7,000rpmを超えるまでの広範囲で35kg.m以上のトルクを発揮している驚異的なエンジンになっています。フェラーリのトルクグラフは手元にないので分かりませんが、トルク特性はZ34の勝ちだと思います。たぶん、きっとw。(抗議のコメントは・・・以下同文)
現在のZ34ですが、ハイコンプピストンとH断面軽量コンロッド(いずれも(試作品)、272-11.0カム、純正触媒と純正EXマニでだいたい370psくらいになっています。これに試作のEXマニとFパイプが加われば、いいところ行きそうな気がします。また、CPUデーターも分からない所が有るのでNEKOコーポレーションさんにリクエストしてます。さらにサーキットコンセプト様の軽量化計画。
あまり大きなことを言うとあれですが、この辺がクリアできれば結構360やばいかもですよw。(抗議の・・・・以下同文)
サーキットならミッドシップレイアウトとGTマシン並みの足回りをもっているフェラーリが速そうですが、もしz34にちぎられてしまったら360用のカスタムキットをよろしくお願いします。400 Modenaですな。ストラダーレちぎっちゃうか? 詳しくは本社までお問い合わせください。
それから、サーキットコンセプト様のEXマニは競技専用になってしまうので、車検対応のアルトラック様製EXマニ&触媒を組み合わせたメニューも設定しました。よろしくおねがいします。
Z34メニューへのリンクです。
コメント(1)関連記事
One Response to “Z34とF131”
Leave a Reply
うううう。
素晴らしい。
しくしくしくしく。