12月 24
このヘッド、もうダメ・・・・・。
いきなりですが、まずは下の写真を見てください。
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シリンダーヘッドです。
RB26DETTです。
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ずいぶん前に、フルチューンエンジン用として色々と手を加えておいた物なのですが・・・・・
実はこのヘッド、もう使い物にならないのです。残念ながら。
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写真の状態で保管されていたのが、地殻変動の影響か何かで発掘されたのですが、
よく見ると大事な物がありません。
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「カムホルダー」です。
シリンダーヘッドの上にカムシャフトがあって、それをヘッドへ固定するための部品です。
この部品、シリンダーヘッドに取り付けた状態で、カムシャフトが通る(?)穴を開けているので、
他のヘッドから部品を持ってきてもカムの穴がちゃんとした「丸」ではなくなってしまい、
カムが回らなくなってしまいます。
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つまり、ヘッドとカムホルダーは組み合わせが不明になってはいけないのです。
発掘されたヘッドは、ビッグバルブ、ポート研磨、燃焼室加工など、ハイパワーエンジンのための加工が全て施されているのに、
もう何の役にも立たない。ただのゴミです。ご愁傷様。
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誰だよ、カムホルダーと離ればなれにしたのは。一緒に管理しておけとあれほど言っておいたのに・・・・。
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カムホルダーは「場所」も決まっています。1個1個が全て違う部品だと考えなくてはいけません。
世界に一つだけの・・・・(古っ)
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たとえば、
カムを取り外したときに闇雲にカムホルダーを外すと、どれがどこに着いていたのかわからなくなって、
先輩メカニックにものすごく怒られます。
気の利いた(?)エンジンだと識別のための刻印があるので大丈夫ですが。
たとえばこんな感じ。
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カムホルダーのまん中にアルファベットの刻印があります。
これで見分けることができます。
どれがどこに着いていたか覚えていないと、これまた先輩メカニックに罵声を浴びせられます。
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こんな、オンリーワンなカムホルダーの取扱は、ちゃんと管理しておかないとヘッドがおシャカになってしまうくらい重要だということです。
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たまに、他の業者さんから預かったシリンダーヘッドにカムホルダーが着いていないと、
ちょっと心配です。
離れ離れになったヘッドとホルダーが、二度と出会うことができなかったら・・・・・
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大きなお世話ですが。
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さてさて、冒頭のRB26ヘッド、一体どうしたもんでしょうか。
捨てるのも忍びないし、かといって使い道もないし。
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