7月 3
ホリンジャーの続き、の続き。
さて、昨日はホリンジャーミッションのギアがケースに収まったところまで書きました。
今日はシーケンシャル機構の部分を組み立てます。
そもそも、「シーケンシャルミッション」とは?
sequential 連続的な、続いて起こる、順次の
のような意味がありまして、要するに順番に変速するトランスミッションです。
当たり前のような気がしますが、市販車のHパターンのように自由にシフト先を選べないってことです。
今2速ならば1速か3速にしかシフト出来ないんです。
シフトレバーは基本的に前後にしか動きません。
シフトの方向は車両前方に倒してシフトダウン、後方に引いてシフトアップです。
これは、多くの市販2ペダルM/Tでも同じだと思いますが、一部のスポーツモード付きA/Tだと逆なので、
違和感が強く使い物になりません。といいますか、A/Tのスポーツモードなんてほとんど使用しませんが。
ドグミッション(シンクロ無し)と組み合わされたシーケンシャルミッションは、
そのストロークの短さと剛性感でシフト操作が非常に気持ちよいです。
ただし、シンクロがないのでエンジン回転の同調がちゃんととれていることが条件です。
さて、レバー一本を前後に動かしているだけでなぜ変速されていくのでしょうか。
そのヒミツはここにあります。
変速用のカムです。
これが回転することで、各ギアの変速用ロッドを順番に動かしていくのです。
これはミッションの一番前の方にあります。
上の写真で、赤く色づけされた部分がカムの溝です。
この溝が各ギアのシフトロッドを順番に前後に動かして変速されるというしくみです。
かなり大事な部品です。
この部分はちょっとした小部屋みたいになっていて、ミッションの上の方にあるので潤滑がいまいちです。
あまり硬いオイルを入れると、カムへの潤滑が悪くなり、変速不良、カムの摩耗の原因となります。
この部品は結構なお値段なので、消耗品扱いするのはちょっとカンベンして頂きたいですね。
とはいえドグミッションの場合、ギアそのものも消耗品なので(ギアにあるドグが減るため)メンテナンスにお金がかかること山のごとしです。
ところで、シーケンシャルミッションでとても困ることがあります。
車両を停止させるときに、シフトダウンを忘れたときです。
基本的に、ミッションのシャフトが回転していないと、つまり車両が動いていないと変速はできません。
つまり、6速のまま止まってしまったら、1速までシフトダウン出来ないのです。
そんなミッション、普段は使えませんね。
やはりこれはレース用ということで。
コメント(4)
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4 Responses to “ホリンジャーの続き、の続き。”
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ここしばらく精力的にブログを更新されてますね。
ネタも読み応えあります。特に「プリウスに後付けメーター」ネタなどは
気迫すら感じられますね。インマニまで外しますか。。。
私だったらあまり触りたくないですね。限られた部分のみとはいえ、
使っている電圧が高いだけにちょっと怖いです。
今回のホリンジャーは担当A氏直々に組まれたのですか。
これはレース用ですよね。。。一般公道で使用される方も居るようですけど。
こんにちは。
しばらくスランプが続いたので、反動で書きまくっています。(笑
いつまた滞るかわかりません。
プリウスネタは、お客様の強いご希望で実現しました。
費用も、かなり。メーター取り付けにこんなに?って・・・。
でも、プリウスとはいえエンジン部分は普通ですよ。
ホリンジャーは私が組みました。慣れれば簡単ですよ。
このミッション、当然ですがレース用なので公道で使用するのはデメリットが多すぎです。
こんばんは。
先日コソッとのぞき見させていただきましたが、
ほんとにゴツイですね。
ちょっと憧れましたが、今回の諭吉さん&シフトダウン忘れネタを聞いていると、
ご遠慮申し上げます。。。
間違えてウチの付けないようにお願いします(笑)
こんにちは。
気になりますか?憧れますか?
そ~っと装着しておきましょうか?(笑
請求はン百諭吉になります。